法人の慰謝料
法人は慰謝料請求の主体となれるのでしょうか?
結論から言うと不可能ではありませんが個人が慰謝料請求する場合に比べ非常に困難です。
基本的には、下記昭和34年の判決が触れている原判決のとおり「法人にはもとより、精神上の苦痛というものを考えることができないから、これに金銭でもって賠償させるということはナンセンスである」ということになるのですが、
同判決では、それを否定して「…法人には精神がないから、無形の損害はあり得ず、有形の損害すなわち財産上の損害に対する賠償以外に法人の名誉侵害の場合において民法七二三条による特別な方法が認められている外、何等の救済手段も認められていないものと論結するのは全くの謬見だと云わなければならない。」としています。
要するに、法人の名誉権侵害のような無形の損害の場合には、それも金銭評価して賠償請求は可能(慰謝料という名目かどうかは別として)だということです。
法人の慰謝料に関する判例
事件番号等 | 慰謝料額 | 裁判で認められた弁護士費用 | 概要 |
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昭和34(オ)901 謝罪広告並びに慰藉料請求 昭和39年01月28日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻し 東京高等裁判所 | 上告人が法人であるということをもって無形の損害が発生する余地がないとした原判決を違法として破棄したもの |